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第68回日本リウマチ学会総会・学術集会
会長 髙木 理彰
(山形大学医学部整形外科学講座 教授)
第68回日本リウマチ学会総会・学術集会に向けて
- 流心をとる – テーマに込めた想い
第68回日本リウマチ学会総会・学術集会を2024年4月18日から20日の3日間神戸コンベンションセンターで開催させて頂きます。日本リウマチ学会の前身である日本リウマチ協会が発足した1957年から連綿と続く長い伝統を誇る学術集会を担当させて頂くこと大変光栄に存じます。
日本リウマチ学会の歴史を振り返りますと、学術集会も常に時代を先取りしながら、様々な領域、分野の方々が集う大きな会へと発展してきました。世界に目を向けますと、ここ数年はコロナ禍や戦争をはじめ様々な出来事が社会全体に暗い影を落とす困難な状況が続いているように思います。そのような時代にあっても学術集会はその歩みを止めることなく今日に至っています。大勢の皆様のお力の賜と思います。
迎えた21世紀も四半世紀が過ぎようとしています。関節リウマチ治療では生物学的製剤や分子標的合成抗リウマチ薬をはじめ多岐にわたる薬剤の登場によって薬物療法が大きく進化し予後の改善は目を見張るものがあります。脊椎関節炎や全身性エリテマトーデスなどほかのいくつかのリウマチ性疾患でも薬物療法の恩恵を実感できるようになってきているのではないでしょうか。一方、リウマチ性疾患の多くでは未だ薬物治療によっても制御出来ない疾患活動性やQOLの低下、さらに関節破壊を含む筋骨格障害や臓器合併症の問題が残されています。次の四半世紀に託された大きな課題です。罹患者の多い関節リウマチでは、高齢化した患者や高齢発症患者の骨関節障害のみならず、併存病態への対応も今後一層重要となります。内科、整形外科、小児科、さらにリハビリテーション医療をはじめとする関連診療領域、社会支援などがより一体性を高め、さらに充実した複合的アプローチの展開が期待されます。世界が経験したことのない超高齢社会にある本邦の現状をあらためて冷静に見直しますとリウマチ性疾患への将来展望を再考すべき分岐点にあるように感じます。同時に超高齢少子社会においても各年代で対応すべきリウマチ性疾患は多く、小児から老年期に至るまで目配りが効きバランスの取れたリウマチ学やその医療の発展も欠かせません。AI、IT、Dx、XR/ER、Robotics、再生医療など様々な科学技術の進歩とその手法も取り入れながら、将来を見据えた学会の発展が望まれます。さらなる高みを目指した学術集会では参加される皆様ひとりひとりが、故きを温ねて新しきを知るとともに、現状からその彼方、将来を俯瞰するよい機会になればと念じています。
第68回のテーマは“流心をとる”としました。流という字からリウマチの語源を想起する方も多いかと思います。流心をとるは、北国のある老練なフライフィッシャーが好んで使う言葉に由来します。毛針をしっかりと流心に通さなければ遡上するサーモンとは出会えないとの意から、物事の本質を捉える “Catch the Essence”というイメージに重ねてみました。流心は文字通り、川の流れの中心、最も勢いよく流れるところを指します。しかしそれはいつも川の真中とは限りませんし、容易に目視できないこともあります。ともすれば溢れがちな様々な情報や知識に容易にアクセス出来る今日、その膨大な事象の中から、それらをしっかり見極め、流心、すなわち物事の本質を的確に捉え続けるためには弛まぬ努力を要します。創意工夫が欠かせません。進取の気概に溢れる皆様にとって、学術集会が日頃真摯に取り組まれた臨床、研究、教育、社会活動の貴重な成果を発信する場となり、同時により新しい知識、技術を学び、交友を深め、絆をより確かにする場となることを願っています。それらを通してリウマチ学、リウマチ医療をはじめ関連領域の発展に本学術集会が一層裨益すること叶えばと切に念じています。結びに本学術集会がより実り多きものとなりますよう、何卒、皆様のお力添えをどうぞよろしくお願い申しあげます。
© 2023 The 68th Annual General Assembly and Scientific Meeting of the Japan College of Rheumatology